FXチャートでもっともよく目にするのが、日本生まれのローソク足を表示したチャートです。ローソク足はそれ一つで区切られた時間の、始値、終値、高値、安値の4つの情報が一目でわかるものですから、始めてローソク足チャートを見た人でも、簡単に理解できるものです。ローソク足には陽線と陰線があり、ローソク足の色で始値と終値、どちらが高いかが分かるようになっています。どの業者のチャートを使っても今は自分の好きな色にローソク足の色を設定する事ができますが、もともとは陽線、つまりは始値よりも終値が高い場合は白、陰線、つまりは始値よりも終値が低い場合は黒でローソク部分を塗り潰して見分けます。今はカラー表示で、ローソク足の色も任意のカラーに変更できるチャートがほとんどですが、終値が下がった場合はもともとは黒で塗りつぶしていたので、暗い印象を受ける「陰線」と呼ばれているのです。ちなみにこのローソク足は、現在の山形県出身の本間宗久が江戸時代に発案したとされています。このローソク足を表示したチャートを、ローソク足チャートと呼びます。
ローソク足は、細かく見たければ1分足や5分足、もう少し長い単位で見たければ1時間足や4時間足、さらに長いスパンで相場を見たいときには日足や週足など、任意の時間軸を見ればそれで大体の流れがつかめます。元々為替レートは上がるか下がるかだけですから、時間軸に対しての上下の動きが理解できればいいのです。そして上がったにしてもちょっとだけ上がったのか、いきなり高騰したのか、ずっと下がり気味だったのが反転したのか、そうした情報を視覚的に掴みます。ですがもちろん、このローソク足だけをチャートに表示して取引する人はマレで、その他何らかのテクニカルを表示しておくのが普通です。ローソク足も、リアルタイムで変わっていく為替レートを視覚的に理解しやすいように表現したものですが、みんなさまざまなテクニカル指標を駆使して「自分が最もわかりやすい、理解しやすい」チャートを作り上げていきます。
ローソク足ではなく、バーチャートや平均足など、横軸の幅がすべて同じ時間軸となっているチャートを、時系列チャートと言います。これに対して、かぎ足やポイントアンドフィギュアなど、横軸が一定の時間を表してはいないチャートは非時系列チャートと呼ばれています。非時系列チャートを表示できるFX業者はほとんどありませんから、最初に見るのは、時系列チャートになるはずです。
どんなチャートであれ、表示させる目的は一つです。これまでの値動きを観察し、これからの動きを予想したり、上がった場合はこうしよう、下がった場合はこうしてみようと、対策を考えたりすることです。複雑なチャートも、シンプルなチャートも、その基本は変わりません。
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